愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

誰かのために奏でる

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週末に雨の多いこの頃。運動会も予定通りに行われず私もレッスンの予定をその都度変更させていただき週末のレッスン生の皆さんにはご迷惑をおかけしております。申し訳ありません。

さて、先週末は友人の結婚式へ大阪まで行ってきました。留学時代の友人なので、友人のご家族以外には参列されるご来賓の皆さんを全く知らない式への出席でしたが、大切な友人の晴れの日!参列出来て本当によかったと思っています。以前にも書きましたが、この日は友人代表のスピーチとピアノ演奏を頼まれており、スピーチの原稿だけは式の2週間ほど前に書き上げました。書いただけでそのままだった原稿を式の1週間前から毎朝2回ずつくらい読んで頭に入れよう!と朝にブツブツつぶやきながら読んで迎えた当日。予想外の展開へ・・・(汗)

神聖な場所へ座ると、色々な事を思い出しすぎてしまうのでしょうか?式の始まる前から1人喜びの涙。披露宴でも新郎新婦の登場で涙。とにかく泣けて泣けて困ってしまい、スピーチも覚えていた原稿を80パーセント、後半は感極まって原稿を忘れ(笑)涙混じりの即席スピーチへと変わっておりました。

その後すぐにピアノ演奏で、急いで涙をふき「愛の挨拶」を弾かせてもらいました。レッスンの中でも大人のレッスン生の方はよく「人前で弾きたいと思うけど、いざとなると弾けない」「人前での演奏は怖い」という事をお話くださいます。私もその気持ちは本当によく分かります。私の場合は「失敗して、笑われたり後で言われるのが嫌だから」という自分を守りたいという気持ちのせいで人前での演奏に怖気づいてしまう事があるわけですが、この日の新幹線の中で暗譜の仕上げに楽譜を見ていた時に「自分がどう思われるかは捨てて、友人の幸せを願う気持ちだけを込めて弾こう!」と思い立ち、ピアノへと向かう事が出来ました。ほんとうに不思議ですが、ピアノコンディションや、音響、会場等どれをとってもベストではない環境の中、とても集中して新郎新婦への祝福の気持ちだけを乗せて弾けました。まれにみる自分で納得できる演奏でした。

自分を大切にする気持ちというのは、生きる上で絶対に必要なものですし、その気持ちが向上心を生み出すと思いますが、それに加えて利他を願う気持ちは心の中にすごく強い柱を立ててくれるように感じます。競争世界のような毎日の中でも、ピアノに向かう時間だけは「誰かの為に。誰かを笑顔にさせられるように」という温かい心で音を奏でたいですね。

☆おまけ☆スピーチの話ですが、新郎側のご友人はスピーチ原稿を読まれて間違いなく冷静にお話されていました。「あれ?原稿読んでも失礼じゃないんだぁ」と思いつつもご指名を受けてマイクに向かう時は原稿を置いていく私。「やる!」と決めたらリスクを背負っても突き進む暴走型です。4月には3回目のエンジェルコンサートもある事だし、マイクで落ち着いて話す練習も課題に入れないとな。とつくづく思いました。

 

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魔法の40分

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朝晩が肌寒い季節へと変わってきましたね。秋は行事も目白押しでまだまだ忙しい皆さんですが、楽しくレッスンに来て下さる事をいつも嬉しく思います。

今日は生徒さん方が教室で過ごす30分~40分間についてをテーマにしてみます♪「ピアノを弾く子は頭が良い」という言葉が脳科学の先生のお話で世間に良く知られていますが、実際はもう何十年も前から言われていた事だそうです。以前にも書きましたが、私の周りにいたピアノ仲間も見事に優秀な人の集まりでした。小学校6年間を共に過ごしたピアノのグループレッスンの仲間はみんな有名高校へ進学し、現在お医者様になっていたり一流企業で活躍していると聞いています。私の高校時代のクラスメイトも演奏がトップの子は勉強もトップでした。もちろん、本人の努力、負けず嫌いの性格があっての結果だとは思いますが、「ピアノが上手い」=「頭が良い」の法則は確かに私が実際目にしていた事です。

その理由は脳のミエリン化というものだそうです。楽譜を見る(視覚)→指を動かす(行動)→音を聴く(聴覚)というサイクルがものすごい速さで必要となるピアノは、脳の広い分野の細胞同士のネットワークが高速で情報伝達するようになるミエリン化という現象を起こすので、頭の回転が速くなる。つまりは、頭の良い子=ピアノを弾いている子になるそうです。

「頭の回転が速い!」これは素敵な事ですよね。ただ勉強が出来るのではなくて、あらゆる事において発想が溢れてきそうで将来に期待が持てます!ただ、気を付けなくてはいけない事はちゃんとこのサイクルを行う事ですよね。楽譜を見ていなくては、視覚野は動かない。指を動かす行動野は動いても、音を聴いていなければ聴覚野は動かない。そして、何より続けなければその効果は期待出来なくなってしまいます。

私は子供の頃よく恩師に「ちゃんと聞いて弾きなさい」と言われていたように思いますが、この聴覚野での作業をおろそかにしていたんだなぁ。と今改めて思います。そんな自分の失敗例をもとに、私は小さな子のレッスンでも「どんな音を出そうか?」「どんな気持ちの音の場所か?」等々の聴覚までしっかり刺激出来る演奏レッスンをしたい!と取り組んでいます。

一緒にいられる40分の間に、楽譜から沢山の音楽のイメージを引き出したり、曲それぞれの雰囲気にあった伴奏を付けて一緒に弾く事で、小さなお子様でも自分の音に興味を持って(弾きっぱなしにならない)最後まで責任をもった演奏が出来るように脳全体をしっかり動かすピアノへと導きたいです♪

もう1つ!魔法の40分のお話。こちらも脳科学で実証されているグランドピアノの音について。グランドピアノからは人間の耳では聞こえない高いヘルツや低いヘルツの音が発せられています。その音(倍音)のシャワーを体全体で浴びることによって脳が活性化するのだそうです。しかも、このグランドピアノの音のシャワーを1週間に40分聴くだけで受験勉強に絶大な効果がある。というのです!!

フェアリーコースのレッスン時間も通常40分!お家でなかなか弾く時間の取れない中学生・高校生の皆さんも、レッスンに来られた40分間にグランドピアノの音をいっぱい浴びて脳をパワーアップしてもらえる!と思うと、とても嬉しいです☆☆私が皆さんに伝えたり、与えたりできるものは小さなことかもしれませんが、レッスン室の2台のグランドピアノは♪虹色♪音のシャワーで皆さんを待っていますからね☆

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ドレミファレッスンのリズム感

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あっという間に10月!これからぐっと秋めいてきそうですね。今日10月1日は、毎年私にとって大切な日です!というのも4月のエンジェルコンサートの会場予約に行く日なのです。去年は、子供の運動会と重なって開館と共に予約が出来なかった為に希望していた日程が取れず1週間前の日程となりましたが、今年は開館時間前に会場にスタンバイしてゲットできるように!頑張ってきます。次回のブログでは日程のお知らせが出来るのでお楽しみになさってくださいね☆

さて、今日はエンジェルトーンの小さな仲間たち。「ドレミファレッスン生」のお話にしようかな。と思い立ちブログを書き始めました。こちらのドレミファレッスン今年の4月から教室の新しいコースとして始まり現在年少組に通う小さなお子様が通ってくれています。このレッスンでは私のオリジナル曲がレッスンの80パーセントを占めていると言えるほど、レッスン生の皆さんは初めて聞く曲ばかりで構成されています。

レッスンコースを考えている頃は、沢山の子供用の遊び歌や童謡も聴いて「これを使おう」「この曲もいいかな」なんて考えていたのですが、自分の息子が年少に入る1年前から試験的に始めたドレミファレッスンで使ってみると「意外にスピードに乗って手遊びをする事が難しい」という事に気づきます。大人には心地よいテンポも小さなお子様には乗り切れずになんとなく終わってしまう事が分かったところで、「子供言葉のレッスンの為の曲を作ろう!」という発想へと移っていき今のドレミファレッスンの数々の曲が生まれる事となりました。

とはいえ、初めはとても心配していたのです。「この歌、覚えてくれるかな?一緒に歌えるようになるのかな?」と不安を胸に顔は満開の笑顔で(笑)歌い始めてみると、翌週からはなんと!子供さんたち一緒に歌ってくれるようになっていました☆ご挨拶の歌をうっかり忘れてレッスンに入ろうとすると「ドレミファレッスンの歌は~?」と指摘を受けるようにまでなり、お返事の歌では「今日はおもしろくお返事するよ~」とウキウキ顔で待ってくれています。子供さん達の吸収力って本当にすごいですね。

そして、一番うれしい驚きなのは、生徒さん達のリズム感向上!!これは本当にビックリです。レッスンを始めた頃はよく知っている「チューリップ」のお歌に合わせてカスタネットを打つのもばらついて難しかった子達が、この半年で色々なリズムに対応できるようになっています。実はこのリズムの練習にもオリジナルメロディーがいっぱいで、沢山のリズム動物が登場し動物園が出来そうです☆

初めはねずみ・カエル・くま・馬の動物メドレーでリズムをしていましたが、夏休み中に作ったリズムシリーズで 新しいネズミ・犬・ふくろう・ねこ・かたつむりまで登場し、毎週ひとつづつ動物を加えながらリズム練習もしています。皆さんあっという間に覚えて、私が1度歌ってリズムを打って見せると次からは「りえ先生はピアノ弾いて~!1人でリズム出来る~!」と始められるほどです。

レッスンを終えて帰っていかれるお子様がお外でリズムレッスンの歌を歌いながら歩かれる声が聞こえたりすると「1つのメロディを生徒さんの心に残せたかもしれない」と一人感動します☆

小さなお子様のドレミファレッスンは音楽の種を皆さんの心に蒔く期間。リズム感や聴く力という芽を伸ばしてフェアリーコースへと進んだ時には初めの小さな曲から歌心溢れるピアノの花が咲かせられるようになると期待しています。

小さなドレミファレッスン生さん、いつもニコニコをありがとう♪

~おまけ~今回のイラスト、カスタネットで可愛くリズムするイメージのものがいいなぁと探し続けたら・・・フラメンコの世界まで行ってしまいました(笑)ドレミファレッスンでフラメンコカスタも夢じゃない!(なんてね☆)

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苦手をなくすピアノの練習♪~返し縫作戦編~

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今週末あたりから、運動会シーズンですね。教室でも、レッスン後に「リレーで走るのが楽しみ!」「組み立て体操が大変だから嫌だ~」「私走るの速いんだよ!」とそれぞれに心待ちにしている様子が感じられます。毎日の練習の成果を外でおもいきり発揮してほしいですね。

私はと言うと、季節の変わり目恒例 のどの調子が悪い時期へと突入しております。レッスンでは、お話したり、歌ったりとノンストップで声を出しているような感じなので(ピアノレッスンなのに(汗))要注意。去年のようなガラガラ声にならないように、早めの対策で頑張ります。

さて、夏にはレッスン生のみなさんそれぞれが1曲を決めて演奏を作り上げましたが、どんな曲を弾いていても、必ずぶつかるのが「どうしても苦手な場所」です。上手く弾けるようになってからも、なんとなく不安な気持ちでその苦手場所に差し掛かり演奏を続けるという事もあるのではないでしょうか?

今日は、そんな苦手場所を無くす練習作戦をネーミング付きでご紹介です!名付けて、返し縫作戦!(笑)

レッスンの中で、生徒さんはまず練習してきた曲を弾いて聞かせてくれます。演奏のあとに「いつも苦手だな~と思う場所ってあるの?」と尋ねると、大体の生徒さんは苦手な個所を知っていてすぐに教えてくれます。他の所はスラスラ弾けるのに、その場所にくるとテンポが遅くなってしまったり、止まってしまったり、ミスタッチをしたり・・・と演奏している本人自身が残念に思っている事の証拠ですので、「苦手場所」をサッと指させる生徒さんには内心ほっとします。

「そうだよね。そこは難しい!!でも、苦手な場所を知っていてよかったよ~!退治できるもんね」と話しながら、返し縫作戦の出番です。苦手個所をまず分解するように、右手、左手の指使いの確認をして復習、その後に苦手な小節の後ろ側の拍(4分の4拍子の曲なら3~4拍目)から弾けるようにしていきます。言葉で説明するのは難しいですが、まず数拍分をきれいに弾けるように、次にその拍を含む1小節を弾けるように、さらに1小節プラス前の数拍を弾き、今度は2小節を続けて弾けるように・・・と言う具合です。一番初めに弾き始めた苦手個所の数拍は最終段階の2小節が弾けるようになるまで常に練習の中に組み込まれているわけです。課題は2拍→1小節→1小節半→2小節と変わるので、生徒さんがチャレンジ精神で繰り返し弾き続けるうちに苦手箇所はすごい回数練習することになり、家庭科の先生もびっくりな程の強固な「返し縫作戦」の練習が完成します。

ピアノに限らず、楽器の演奏家さん達というのは、華やかなステージとは裏腹にコツコツと地味に練習を積んでいくものなのですね。今回の返し縫作戦は、テクニック的に弾けない場所への取り組み方ですが、その他にも「情緒的な音」「メロディの流れ」「左右のバランス」など理想の演奏にたどり着くためには、沢山の山が待ち構えています。忍耐力が必要で逃げ出したくなる事もあると思いますが、ピアノはやった分だけ、心を込めた分だけ確実に音になって戻ってきます。弾きたい音を追い求めて頑張りましょう!

ちなみに・・・教室では「無理」「出来ない」という言葉はNGワードになっております~。未来への光あふれるレッスン生の皆さんにはとてもとても似合わないこのワード。「無理って言っちゃうと、本当に出来なくなっちゃうからダメダメ~」と一蹴して一緒にしばらく練習すると、「無理」はたちまち「出来た」に変わります。

時々、ちびっ子からも聞こえてきたりしますが、この言葉を聞くと、パワフル里枝先生さらに燃えてしまうのでご注意を☆(笑)

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心に残す音の贈り物

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このブログを始めた頃から2年近くは完全夜型の生活をして、ブログを書くのは真夜中でしたが、ここ半年くらいでしょうか朝方の生活に切り替えました。ずっと夜型で朝方に生活が変わるなんて私の人生にはないだろう。と思っていたくらいでしたが、朝の4時くらいから活動し始めると、仕事のはかどりが早く、「早起きは三文の徳」というのが今更ながら分かる様になったこの頃です。

先日、ウィーンに9か月留学していた頃に出会った大切な友人から突然会いたい!という連絡を受け、久しぶりに再会しました。関西圏からはるばる来てくれたので、教室でのレッスンが始まる前まで一緒に過ごしたのですが、今回彼女が犬山まで来た一番の目的は・・・「結婚式披露宴でのスピーチと演奏のお願い」でした☆☆☆

2人で一緒に演奏をしたいと思っていたそうなのですが、ドレスの関係で演奏はNGだと言われたそうで、ソロでの演奏を頼まれました。私は友人の結婚式・披露宴に参列すると「ピアノをお願いね」と前もってご指名を頂く事が多く、曲名と1カップルがペアになって思い出になっていたりします。今回は、ウィーンでの色濃い時期に二人でもよく弾いた1曲「愛の挨拶」に決まりました。

結婚式・披露宴は、人生においてとても大きな大切な一日ですよね。年老いても笑顔で思い出すであろう喜びの日に招待いただけるだけでも幸せですが、そこで二人の幸せを祈る気持ちを込めて演奏が出来る事は友人としてとても光栄な事だと思います。

スピーチも、演奏も、形に残るわけでは無くその一瞬一瞬で過ぎ去ってしまうものですが、その日の写真を見ればその時聴いた演奏が記憶の中からよみがえる様な愛情いっぱいのメロディで心に残る音を紡げたらいいなぁと思います。

私がレッスンを通して皆さんに伝えたい事は、そういう目には見えない力と言えるかもしれませんね。楽譜に込められた作曲家の心、思い描くイメージ、音色、響き、演奏するときの気持ち。全てが手に取ってじっくり観察する事の出来ないものです。けれど、「この1曲を弾くと、心は一気に○○の時代にタイムスリップする」くらいの心を添えていつもピアノが弾けるように、一つ一つの音を大切に磨いていきましょう。

写真は、先日生徒さんからプレゼントしていただいた「ひまわり」です♪玄関を開けるとお花を持った天使さんが立っていて心がときめきました☆「お家でさいたひまわりです」とお母様と生徒さんの優しい心がいっぱい詰まったプレゼントはいつも私の心に残ってニコニコ咲いてくれそうです♪

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合唱伴奏の準備期到来

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一気に秋めいた陽気になりました。朝からシャキッと動きやすく嬉しいですね。

秋と言えば!学校では・・・合唱コンクールや、市の音楽会、学習発表会などの伴奏ピアニスト選考オーディションの時期が始まったようです。教室に通うレッスン生さんの中にも「夏の1曲はちょっと後に回して、休み明けにある合唱伴奏のオーディションの合格を目指して伴奏を頑張りたい!」と決めた生徒さんもいらっしゃいましたし、「まだオーディションは先だと思っていたら来週選考があるから弾けるようにしたいです」と意気込む生徒さん、また「オーディションに向けて1レッスン制でのレッスンを至急お願いします」と教室ホームページを通じてお電話をしてくださる方もいらっしゃる状況です。日々のピアノ練習での努力を学校のお友達にアピールできる合唱伴奏、「やりたい!」という思いで挑戦される生徒さんが沢山いらっしゃる事はとても嬉しいです。

ライバルでありお友達の前、そして先生の前で弾く事は日頃ない緊張感ですね。それを克服する最大の武器は、「練習と信じる心」です。練習無しでは、やっぱり戦いには望めません。そして、出来る!という自信がなくては気弱な音しか出てこないですよ。そして大切な事は「伴奏をただの伴奏だと思って弾かない事です。」

もうずっと以前、学生時代ですがイタリア人オペラ歌手のお二方と共演させていただく機会があり、演奏会でのピアノ伴奏を経験した時の事です。私は、まだまだ経験も浅くオペラの本場!イタリア人歌手との共演など当然初めての経験でした。イタリアから日本へ来日された翌日にリハーサルで初めてそのお二人と会った私は、完全に委縮してしまっていました。お二方ともテノール歌手で男性ソリストでしたので、なんと言っても体が大きい!彼らの後ろに立ったら、確実に見えない。というくらいの体格の良さと自信に満ちたオーラはすごかったです。

軽く挨拶を済ませて、萎縮したままリハーサル開始。曲はオペラの名曲やイタリア歌曲で愉快・豪快・力強さ満開!といった感じのものだったのですが、恐る恐る弾きだす私は前奏を弾き始めて数小節にして彼らに「違う違う。もっと楽しく!曲に乗って!」という助言を受けました。「そんなにカチコチの曲じゃないんだよ」という事です。私はその時、ミスタッチをしないことだけに集中して 音を弾く喜びも、音楽の流れやパワーを感じることをすっかり無視して弾いていたのです(汗)

未熟者すぎた私は、本当にその場の雰囲気だけでビビッてしまっていたわけですが、彼らは私がリラックスできるような雰囲気づくりや生きた音楽を歌で示してくれたようにうっすらと記憶しています。(緊張のあまり良く覚えていないです・・)そして、少しずつ調子を取り戻した私は、オーラでまばゆいお二方の声にのってその後のリハーサルをとても楽しく過ごしました。リハーサルが終わった後に、お二方から聞けた言葉は「ブラボー・ブラボー」嬉しかったです。とっても☆☆☆☆☆

演奏会も無事に終えて、お客様の前に共演させていただいた歌手の皆さんと手をつないでご挨拶している時の写真が今もレッスン室にかざってあります。今思うと、私の演奏に対する心構えを変えた貴重な瞬間の一つだったのではないかな。と感じます。伴奏って、ただ小さく地味に弾いていれば良いものではないんです。音楽をしていないと!!

指揮者は一音も発する訳ではないけれど、曲全体を完全に把握して壮大な演奏を作り出しますね。学校の合唱伴奏では、ピアニストがその役を担う!くらいの意気込みで演奏し、合唱が歌いやすい道筋を作ってほしいと思います。

話は戻りますが、先日特別に伴奏オーディション用のレッスンを受けに来られた生徒さんのレッスン最後に(お家での練習の助けになれば・・)と思い私の伴奏をワンコーラス聞いてもらった時、生徒さんのお母様が「とても伴奏とは思えない、まるで1曲の作品を聞いているような気持でした!」とびっくりされていました。学校の中ではピアノや楽器のおけいこをしている子達は、他の子達よりも音楽的センスを磨いている子達です。是非、音楽的な伴奏で自信を持って弾いて下さいね。黒い音符をただなぞるだけのような伴奏は少し寂しいですからね。

オーディションで選ばれるのは1人ですから、厳しい挑戦かもしれません。でも、勇気をもってピアノに向かうその行動は、必ず今後の頑張りにつながります。楽しむ気持ちで挑戦してみてくださいね。レッスンへの持ち込みはもちろんOKです♪

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原点にもどる

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9月が始まりました。夜には秋の虫の声が聞こえるようになり、季節の移り変わりを感じますね。

夏休みの間、指導書を読んだり、生徒さんが弾く曲の歌詞を聞いて「この曲の歌詞が良くて好きなんだ」と言っていた生徒さんの様子を思い出したり、ドレミファレッスン用の曲を書いたり・・・楽しいピアノ時間のヒントを探しながら過ごした今年の夏。そして休み明けの皆さんの演奏を聴いて改めて思った事が「原点へもどる」という事でした。

何の事かと言うと「音」です。エンジェルトーンという名前を教室につけた時の私の決意は「教室へ通う生徒さん達の音色が天使の音色であるように」というものでした。日本は英才教育が盛んで、小さなころから沢山の習い事への門が開かれた環境であるが故についつい「人より少しでも先へ進む事が良い事」となっている気がします。ピアノにおいても、テキストは少しでも早く先へ!!という競争観念のようなものが親にも子にもいつの間にか備わってしまっています。

もちろん、いつまでも同じところを繰り返し弾き続ける事が良いわけではないのですが、進度よりも大切な事がピアノにはあると思っています。それが音色を作る事のできる指やタッチ、聞き分ける耳を身につける事です。「エンジェルトーンの子達は音がきれい!」と言ってもらいたいですし、レッスン生の皆さんには「ここではこんな音を出したいからこう弾いてみよう」と考えられるような創造性をレッスンの中で育んでもらいたいと思います。その為に必要な事は、慌てずに基礎を作り上げる事。土台がしっかりしていれば、テクニックもつきやすく、難しい曲へも挑戦できるようになるのです。

そのため小さいレッスン生さんには手を取って、1本ずつ音の出し方を毎週丁寧にレッスンします。言葉で聞くだけ、目で見るだけよりも実際にお子様の指を動かすことで、生徒さんは「打鍵のスピード、位置、手首や腕の動き」を体感し正しい音の出し方を始めの段階でつける事が出来るようになります。音符とリズムが読めたらへんてこな指でも合格。としないで正しいタッチでの完成を目指しましょう。(お家の練習でも)

打鍵については、小さなお子様から大人のレッスン生まで頻繁に話題にしています。レッスンノートに指のタッチについて書いてあったりするときには「どんな風に弾くと良いの?」とお子様に質問してみてください。さっと答えが返ってくるか、はたまた「え~?なんだったけ?」となるか?(笑)曲の背景や場面設定に関しては、さらに頻繁に話しています!皆さんの想像力がどんどん膨らむように沢山の例を出して話していますよ♪練習の時に思い出してくれていますか~?(笑)

「あの子の音は綺麗だから聞きたくなる」そんな風に言われるように、一つ一つの音に命を吹き込んで、天使の音色を作り上げていきましょう♪難しい曲を無理やり弾くよりも、小さな曲を丁寧に色彩豊かに弾く事の方がきっと感動を呼びます🎼

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