愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

1年間の挑戦~発達障がいのお子様レッスン~ Part 1

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秋ですね~。昨日子供を園に送りに行って少しお教室に入ったのですが、「り~んり~んり~ん」と懐かしい音が聞こえてきます。風鈴じゃないですよ。鈴虫です☆小学校の時は、同級生のお友達がお家で沢山飼育されていたのか?良く分かりませんが毎年鈴虫を分けて頂き玄関先に置いてある虫かごから美しい声を聞かせてくれていました。「見た目が怖いのが残念だなぁ。テントウムシっぽかったら良かったのに。」と思いながらも怖々餌のナスを与えていた事がぱっと思い出されました。あの頃と変わらない鈴虫の声。代々受け継がれているんですね♪(虫かごの鈴虫さんの姿も変わらず・・・でしたが懐かしく聞かせてもらいました)

 今回は少し長文になりそうです。2回に分けて記してみようと思います。

1年前の夏、教室に1通のメールが届きました。

「犬山在住の発達障がいをもつ2年生の男児ですが、そちらでレッスンを受けることは可能でしょうか? ネットで調べ先生を知りました。」

メールを読んで、しばらく考えました。正直、今までにそういったお子様の指導はしたことがありません。「少し多動気味です。」というお子様はいらっしゃいますが、はっきり発達障がいという言葉をあげてレッスンの問い合わせをしてくださったお母様は初めてでした。大切なお子様の為に教室を探されるお母様のお気持ちを思うと、「なんとかせねば!!」と思い、丁度渡欧数日前でしたので急いで関連しそうな本を購入して荷物に詰めました。そして、お母様には正直に、発達障がいのお子様のレッスンが未経験である事、至急知識を得る準備をする旨をお伝えした上で、そんな私でもよければ一度体験にいらして下さい。そしてお子様の得意な事、性格的特徴などあれば教えて欲しいとお返事しました。

 今も昔も変わることなく色々なタイプの人が存在していて、その中には障がいと共に成長をされている方がいらっしゃる事は誰もが知っている事ですが、そういう方々と時間を共にする機会は少ないと思いませんか?

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私に関して言えば、発達障がいのお子様と時を共に過ごした経験は・・・なんと小学校の頃だけです。当時は1学年4~5クラスあり、同じ学年の中に1人だけいた発達障がいの子の存在を私が知るのは、4年生で初めて同じクラスになった時でした。(随分遅いですよね・・・低学年の頃は学校から脱走をはかる事に精を費やす問題児でしたので(笑))

男の子だからK君だけど、みんなからはKちゃんと呼ばれていた彼。落ち着いていられなくて、いつも船をこぐように前後に足を動かして、不安そうで、コミュニケーションはお母さんか先生。という感じの子でした。何か困った事があると大きな声で「おかあさ~ん」と泣いていて、玉ねぎが大っ嫌いで、でも漢字は博士級にいっぱい知っていたKちゃんを、私は「なんて心がキレイな人なんだろう・・・」と思ってみていました。前年までは脱走犯の私でしたがさすがに小学校生活にも慣れてきた頃。馬鹿に明るい性格が好評を得たのか?学級委員に毎度選ばれるようになり、「Kちゃんをお願いね」と先生に頼まれて同じ班での学校生活が始まりました。

近くで過ごしてみると、本当にKちゃんは心の澄んだ人でとっても優しい子でした。落ち着いていられる時は一緒に笑っていたように思います。今でも心に焼き付いている思い出は、掃除の時間。私はいつもKちゃんと手をつないでバケツにお水を汲みに行っていました。ある日、私が何かの用で掃除の時間に遅れてしまうと廊下から大きな声で「稲垣さ~ん!!」と呼ぶ声が!!なんと!Kちゃんが、バケツを持って私を探していました。他の子が行こうとしてもバケツを持って立ち尽くすKちゃんに、大急ぎで駆け寄って「ごめんねKちゃん。遅れちゃったよ。じゃぁ行こうか。」と言ってその日も手をつないでバケツにお水を入れました。クラスメートがその様子に驚いてぽか~んとした顔で見ていた事まで覚えているほど印象的でした。

Kちゃんのようなデリケートできれいな心を持っている人が、ピアノをやりたいと思ってくれているなら是非一緒に楽しみたい!と思わせてくれるKちゃんとの思い出であり、私が今までの人生の中で時間を共有した唯一の発達障がいの子でした。Kちゃんありがとう・・・☆

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お問合せのお母様は、お子様の様子をお知らせくださり体験レッスンへの参加をご希望くださいました。体験までの限られた時間、飛行機の中や旅先でも持参した本を大急ぎで読み、自分の中でレッスン計画を組みながらどんな風にレッスンを進めていくべきか、デリケートな心に寄り添う為の準備をして帰国後に体験レッスンでお迎えすることになりました。

次回へ続く・・・

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