愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

おばけちゃんと太陽

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さぁ!11月も最終週の始まりです!日曜日は大人のレッスン生さんが午前中にお越しくださいますので、「あっという間に12月が始まってしまいますねぇ」とお話すると「今年は凄く速かったです」というまさに大人の返答がかえってきます。子どもの頃は「あっという間に1年が終わる。」なんて大人の言葉がピンとこなかったはずなのに・・・今は時計に引きずり回されているような気すらします(笑)

そんな飛ぶような毎日、皆さんとのレッスンの時間はとても充実した幸せの時間です。今回は最近の教室レッスンで、喜びから思わず笑顔になった素敵な一コマをご紹介しますね♪

教室では毎日色々な音楽とお話が飛び交います。毎週レッスンをご覧くださるお母様方は、ポンポン曲のイメージの話が出てくる私のレッスンをどんな風に聞いてくださっているのでしょうね?「リエ先生の頭の中はおもちゃ箱かしら?」なんて感じられる事もあるのかもしれませんね(笑)

エンジェルトーンの目指すレッスンは「メロディから浮き上がる世界をキャッチして響きの中で表現する事」近ごろ、楽譜から音の海へ飛び込む事の出来る皆さんがどんどん増えてきている事に感動しています!そして、その影響がお子様からお母様まで伝わってる様子を発見しました!

先日のレッスンでの事、いつものように開いた練習テキストの中に見慣れないかわいいイラストを見つけたのです。メロディの雰囲気が暗くて寂しい響きのところには「おばけのマーク」明るく元気なところには「お日様マーク」絵心ゼロのリエ先生は、テキストに絵を描く事がないので、かわいいイラストにビックリ!「あれれ~、このおばけちゃんはどうしたの?」と生徒さんに尋ねてみると・・・「ママがね、書いてくれたの!」と教えてくれました。「ここは暗いところだから、おばけが出てきて、明るくなると太陽になるの。」とお母様と一緒に曲の2面性を見つけてくれて、工夫して下さっているその特別な楽譜にとても感動しました。

導入から始まり、ある程度の演奏力をつけるまでに使うピアノテキストには、親子の歴史が刻まれていると素敵だなぁ、と思います。私は小さい時の楽譜を処分せずに持っており、時々開いてはその頃の自分と母との日々を思い返したりします。あの頃はとにかく必死で、イメージをつけて弾こう!なんて頭の片隅にもなかったので、イラストが出てくる事はありませんが、母の字で「里枝小学〇年 発表会」なんて書いてあるだけでも嬉しくなります。いつも側にいてくれた母の存在は、生徒さんが大人になってからありがたく気づくものなんですよね。

教室の皆さんのテキストには、お母様から書いて頂いたイラストや、色塗りが見られ、レッスンノートにはその時々の練習の様子が一言添えられていたり、と愛情にあふれています。「この曲はママが好きだから合格してからも毎日弾いているの」という声も聞かれて、ピアノが親子のつながりの1つのきっかけになりつつある様子を感じられる事に本当に幸せを感じますし、お母様方には感謝が山盛りに積もっております。

お子様が前向きに、お話を読むように楽譜やピアノに向かえるレッスンを伝えていきたいと思います。

かわいいお母様からのイラストやメモ書きから卒業されたレッスン生さんに待っているのは・・・里枝先生特性、イメージの覚え書きです。「こんなイメージで弾いてみるとこのパッセージがぴたりとはまるよ!」という想像の世界が書き込まれていきますよ~。こちらは、大人になってから読み返すと笑ってしまうメモ書きとなるでしょう(笑)それでいいんです♪音楽は心を元気にするものですからね☆

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冬レッスンに向けて

 

 

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11月もあっという間に終盤戦です。教室の生徒さんからもクリスマスの話題が上がるようになってきました。

さて、先週は今後の冬レッスンに向けて教室のエアコンを業者さんにクリーニングしていただきました。依頼した際に、エアコンの型番をお知らせしたところ「とても難しいタイプなので時間が4-5時間かかります。」とお返事をいただき、レッスンに支障が出ないよう午前9時からお願いしました。遅くても午後3時までには終わるだろう。との予想でしたが、まず業者さんピアノとエアコンの位置関係に愕然とされ・・・ピアノ移動でフローリングへの傷が付く事が心配で固まってしまわれたので、結局ピアノ移動を何度も見て経験している父、兄、主人の力を借りて移動し作業に取り掛かっていただきました。

こういう時、ピアノのサイズの大きさには本当に手をやいてしまいますが、楽器の王様ですからね。仕方がありません。何重にも保護カバーをかけてもらい、レッスン室のエアコンクリーニングに取り掛かっていただきました。

が!!「難しいタイプ」と初めから言われていただけあって、分解するだけでもの凄く時間がかかり、聞こえてくるのは業者さんの苦戦する声ばかり(汗)「あれ?ここどうなってるんだ?!このカバーの奥が基盤か~!!」などなど、クリーニングに取り掛かる前に時計はお昼を過ぎ、お昼休みも早々にすぐ作業にとりかかってくださいましたが、クリーニング終了後に分解したエアコンを元通りにするのに、最高に時間がかかり3時…4時…5時…と時間が過ぎてレッスン生の皆さんには振り替えレッスンのご連絡を徐々に入れていく結果となりました。

突然の変更、大変申し訳ありませんでした。皆さん、金曜日の祝日に振り替えを了解してくださりありがとうございました。

作業が終わったのは午後6時でした。「はぁ~~~~~~疲れた」と作業してくださった方の声を聞いた時には「お疲れさまでした~」以外に言葉が出なかったです(笑)

ピアノをもとの位置に戻したのは翌日となりました。

冬は乾燥もひどくなりますし、ウィルスも飛びやすいので、教室の方も出来る限り安心レッスンを受けて頂けるよう気を付けていきたいと思います。

昨日からオイルヒーターもお目見えして、空気清浄機と並んで運転しております。寒い冬への支度も万全!張り切って弾きにきてくださいね☆

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お気に入りのピアニスト

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あわわ・・・としている間に11月も中旬へ!!ここから一気にクリスマス色に街は変わっていきますね。寒くても暖かな気持ちにしてくれる嬉しい季節の始まりです!

教室ブログが少し停滞気味でごめんなさい。先月 急きょ主人の来日が決まり、それに伴う準備でバタバタ、来日後は役所への届け出など色々と予定が詰まって走り回っておりましたが、先週は1週間お休みを頂き諸々の手続きもひと段落してきました。

にぎやかになったリエ先生宅。さらにパワー全開でレッスンも、ブログも進めていきますね!

さて、今日はピアニストとして活躍される世界の名演奏家について。前々から書きたいと思いつつテーマに出来ていなかった事を綴ってみたいと思います。

私は、今までに1度だけ「好きなピアニストって誰?」と年配の音楽愛好家の方に尋ねられた事があります。その頃は大学生でよく来日していた演奏家のコンサートに足を運んでいた頃だったので「アルゲリッチとかブーニンの演奏は素敵でした。」と答えたら「そうかぁ。やっぱり時代が違うか。リヒテルとかは言わないんだなぁ」とその方が仰られて少し驚いた事があります。

CDを購入しようとお店を覗けば、同じ曲を録音したピアニスト達のCDがずらりと並ぶほどにピアニストの数は多いですよね。それぞれの演奏家が曲へ込めた思い、情景、テクニックや音色などが違うから聴衆もそれを楽しめるのだと思います。自分の心に訴えかける演奏をするピアノの音を聴かせてくれるピアニストを見つける事は、心の安定剤として良い事ですよ。

私はチェコ留学時代、ピアノを弾いていない時はいつもクラシックのCDをかけていました。時にオペラだったり、交響曲、ピアノなど色々でしたが、ピアノ曲のCDを聴いて初めて涙したのがロシア人ピアニスト・指揮者の「ミハイル・プレトニョフ」でした。いつも聴いていたはずのCDでしたが落ち着いて聴いてみた時に、演奏家が伝えたい悲しみがドーンと入ってきたのを覚えています。それまで、テクニックテクニックと技術ばかりを磨いていた私の軌道を変えた演奏との出会いです。(プレトニョフのテクニックはもちろん素晴らしいですけどね)

演奏を人の前でする事は、勇気のいる事です。誰かが必ず批判をします。それでも大切な事は自分の伝えたい音・気持ち・信念を手放さない事。不安や恐怖に打ち勝って自分の気持ちを表現した演奏は人の心に伝わりますからね。そして自分の表現したい事の為だからこそ、テクニックを磨く根気強さも生まれます。批判を恐れず気持ちを表現することは演奏の第1歩かなと思っています。芸術の世界は取り扱い説明書通りでなくても良いですから。

技術と共に、表情豊かな演奏を作る力を皆さんにも育ててもらいたい!といつもレッスンに取り組んでいます。

そして、お気に入りのピアニストさんを見つけられたらその演奏の中からヒントをいっぱい探してみましょう!心に刺さった演奏の秘訣はどこだったのかな?と探求してくださいね。

最近はあまりゆっくりCDや演奏会を聴いている時間がないのですが、内田光子さん、フジ子ヘミングさん、ミハイル・プレトニョフさん、キーシンさん、アルゲリッチさん等々お気に入りのピアニストのCDは私も沢山あります。是非、皆さんも沢山の演奏を耳にしてみてください。ヒントをいっぱい得られますよ。

素敵な演奏家のコンサートを見つけた時にはまたご案内しますね☆一緒に出掛けましょう♪

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秋はロマンチック♪~大人ピアノ~

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すがすがしく晴れた日から一転、週末に向けてお天気下り坂のようですね~・・・なかなかスケジュール通りにはお天気動かないようです。

さて、今日は大人ピアノの皆さんとのお話です。大人の始まりがどこなのか?難しい所ですが、教室では高校生以上からは月に2回のレッスンが選択可能としています。高校生になっても続けたいと思うその気持ちは、本当にピアノを好きでいる人だからもてる感情です。大人ピアノの仲間入りには十分かな。と思っています。そしてレッスンへは70代になられる元気な人生の大先輩方も一緒にピアノを楽しみに通ってくださっています。そう思うと、ピアノって本当に一生楽しめる楽器と言えますね。

金管楽器だと、肺活量で苦しさを感じるときが来るかもしれない。弦楽器では、楽器を支えて持つフォームが辛いと感じるときがくるかもしれない。歌はのどに注意が必要、など楽器と体とのバランスがとり辛く感じる時が来るかも?しれませんが、ピアノって、弾く姿勢に関しては、とても自然な状態でいられる楽器だと思いませんか?他の楽器のようにいつも持ち歩く事は出来ないけれど、楽器の王様らしく「ドーン」と構えるその威厳は、小さな時から老いるまで私たちを受け入れてくれる素晴らしい楽器ですね。

話がそれてしまいました・・・(笑)

大人の皆さんとのレッスン中に、息子がひょっこり登場する事が時々あるのですがその際、「パパに作った曲を聞かせて」と突然私に頼んだ事がありました。「えっ?!あぁまた後でね、今はレッスン中だからね」と言うと「先生、良いじゃないですか。聴かせてあげてください。私も聴きたいです」とご親切すぎるお言葉をいただき私がもう12~3年前に主人の為に書いた曲を1曲聴いて頂いたことがありました。この曲、主人に恋する若きリエ先生の作品なのですが(笑)今でも主人のお気に入りで、娘も真似して弾くようになり、時々我が家で流れるようになっています。

生徒さんからは「素敵ですね~。是非次のコンサートで弾いて下さい!皆さんに聴かせてあげてください」とありがたいお言葉をいただき「やっぱり先生はピアニストなんですね。ご主人は幸せだわ~」と逆立ちでもしたくなる感想をいただきました。

その時に言った私の言葉、「この曲を弾くと、一気に気持ちがタイムスリップするんですよ。出会った当時に心が飛んで、相手を思う気持ちが充電出来る感じです。これも音楽の持つ力ですよね~。ハハハ。ロマンチック過ぎますか~?」でも、是非この気持ちを共有していただきたい!と思い生徒さんに新しくお渡しした曲はメンデルスゾーンの無言歌集より「デュエット」です☆☆☆

プラハやドイツの演奏会でも弾いたこちらの曲、教授からは「ロマンチックな里枝ならではね~」と言われておりましたがとっても甘くて二人の気持ちが溶け合う素敵な1曲です。「秋はロマンチックに、若き恋心を一緒に歌いましょう~♪」との隠れメッセージを込めております。

他にも、大人ピアノではシューマン作曲リスト編曲の「献呈」を弾いて下さっている生徒さんもいらっしゃるんです。シューマンが結婚式前夜に妻クララにプレゼントした歌曲集の第1曲目。溢れる愛が詰まったこちらの1曲も、レッスンの中では弾いている生徒さんと一緒に結婚式前夜の幸福感へタイムスリップして燃える愛情ピアノが響いております♪あの喜びを知って弾けるというのが、大人ピアノの醍醐味です!!経験は音に出ますからね☆

音楽って素敵☆一瞬で気持ちを変えるその力ってすごいですね。中学・高校・大学時代の多感な時期に聴いた曲が簡単にスマホで聴ける今、私は毎朝中学生までタイムスリップしています(笑)

ロマンチックな気持ちで、優しいメロディが響くエンジェルトーンの空間♪秋にぴったりです☆☆☆

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繋がる!音と色

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あっという間に10月!小学校の運動会が終わり、今週末は幼稚園・保育園の皆さんの番ですね!ここのところ、なかなか予定通りに進ませてくれない週末のお天気が続いていますが、今週はどうかな?皆さん張り切ってスポーツにダンスにしてきてくださいね~♪

運動会と言えば、音楽に合わせて入退場がありますね。小学校くらいにもなれば1・2!とリズムにも楽に乗れるようになりますが、小さな3才くらいのお子様は音楽が聞こえてはいてもそれに合わせて行進まで出来るかどうか、分かれてくるところだと思います。昨年から始まった「ドレミファレッスン」のコースに通う小さなお子様たちも、レッスン初めでは お歌に合わせてリズムとりをするのを難しそうにしています。付き添われているお母様も、心配そう。(うちの子リズム感無いわ・・・)というお顔で見られたりします。その瞬間に「ドレミファレッスンでピッタリリズム打ち出来るようになりますからね。大丈夫なんですよ♪」とお声がけしています。これ、夢でも慰めでもなく本当です!みんなリズム大好きな子達に変身してくれます☆

ドレミファレッスンを卒業されたお家のお母様からは「保育園でリズム感が良いと褒められました」という嬉しいご報告をお知らせいただき、色んな動物リズムの歌を作ったかいがあったなぁ♪と思った秋の始まりです☆

頑張るみんなに負けないようリズム・テンポよくブログを更新していくはずが、少し時間が空いてしまい申し訳ありません!

今日は色塗りのお話。レッスン生の皆さんは、導入のレッスン中はいつも色鉛筆をバッグに入れてレッスンに通ってくださいます。音の色塗りをして譜読みに慣れる為のトレーニングですね。その後、年齢や力に合わせて使う教材も変わり色鉛筆は登場しなくなっていくのですが、新たな色鉛筆の出番が見つかりました!

そこにたどり着くまでには、1つの素敵なお母様のお話があります☆

導入教材をやり終えて、次にピアノと言えばお馴染みの「ブルクミュラー」に進めた時のお話です。教本は色々な出版社から出されており、シンプルなものから、凝ったものまでバリエーションも豊か。その中で私が選んだ楽譜は、イメージ力も育てつつ、優しいタイトルの挿絵が好印象の1冊でした。

この楽譜を渡すときには、まず私がどうしてこの本を使おうと思ったか、優しい色使いやイメージの助けになる注書きなどについても一緒に生徒さんと見てお話をし、それから1曲目へと挑戦していきます。

楽譜の最初の方はオールカラーで色あざやかなのですが、挿絵の色も途中からはモノトーンになってしまうこちらの楽譜、のはずが・・・ある生徒さんの楽譜は全部カラーなのです。生徒さんが気持ちよさそうに弾いているので一人(あれ?新しくオールカラーに改定されたのかな?)と思いつつレッスンを続け、「これ、きれいな色ついてるね~、先生のは黒白だよ」と言うと「お母さんが塗ったよ」と思いがけない答えが返って来てビックリ仰天!

「プロじゃないですか~!!」と言わずにはいられない素敵な色使いで、お母様の愛情を感じました~!「塗りだしたら楽しくなっちゃって♪」とお話くださる優しい笑顔。お子様の楽譜で大人のぬりえをされるなんて、オシャレ感覚が飛びぬけているなぁ。と憧れました。(題名のイメージにもピッタリで本当に素敵でした)

その日以来、この曲集を始めている子に「あのね、この本初めのうちは綺麗に色がついているんだけど、途中からは色が抜けているでしょ?でも、素敵な絵だから是非この曲を弾いた感じで色を付けてみて欲しいなぁ~」と言います。お母様の素敵なアイディアがエンジェルトーンに広がっています。

昨日も、とっても優しい色使いで見事な色塗りを披露してくれた4年生の女の子がいました♪ マイ楽譜は自分だけの宝物。ただレッスンの注意事項だけでなく、こんな風に色がついている楽譜だと、きっと大人になって見返した時にほんわか暖かな気持ちになりそうですね。「〇年生の時には、この曲をこんな気持ちで弾いていたんだなぁ。」って笑顔で思い返してもらえる時間を一緒に過ごしていきましょう!

私の高校時代の同級生は、受験前の楽譜がパートごとに違う色で塗りたくってありました。ちょっと過激すぎて「おぃおぃ、これすごいね・・・」と(仲良かったので)突っ込みましたが、その時にしかない気持ちを色とつなげるって素敵な事かもしれません。

是非、皆さんも楽譜に愛を注いでください♪

愛と言えば・・・次回は「ロマンチックな秋」をテーマに大人ピアノのお話です☆

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1年間の挑戦~発達障がいのお子様レッスン~ Part 2

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前回の続きです。

体験レッスン前にお母様からは、お子様の様子についてこんな風にお気持ちと合わせてお知らせを頂いておりました。

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息子は発達障がいの特性で切り替えが苦手だったり興味があるものには何時間でも取り組めたりこだわりがあったりします。

ピアノを習った場合、レッスンの時間が終わってもまだやりたい!と泣いたり課題曲より自分がやりたい曲がいい!となったりする可能性があるかもしれない。と思っています。

息子にはレッスンの時間が決まっている事、全て自分の思い通りにはならないことを説明してはありますが、日によってはワガママとみられるような行動があるかもしれません。

ただ本人は本当に弾く事が好きで、今は小さな電子キーボードで譜面は読めませんが動画をみたりお友達に教えてもらい、いつも弾いているので親として好きなことは出来れば習わせてあげたいと思っています。

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お母様の心情(心配と願い)がぐっと詰まったメッセージでした。見知らぬ人との出会いには、誰しも自分や身内の弱点を見せないように、少しでも見栄えするように!と肩肘張って繕おうとしてしまうものですが、お母様はお子様の現状をマイナス部分も含めて冷静に理解し受け入れて共に歩んでいらっしゃるご様子が感じ取れて「すごいお母様がご連絡をくださった」と私も背筋が伸びる気持ちでした。

そして体験レッスン当日・・・

お母様と一緒にお越しくださった生徒さんは、初めての教室、そして私に緊張の面持ちで入って来てくれました。2台のグランドピアノを見てお母さんに笑顔を見せています♪エンジェルトーンの体験レッスンの進め方は、正直いつも違います。お子様の様子を見て、弾けそうだな。と思えるまではお話を先にする事もありますし、弾く気がみなぎっている子にはご挨拶を終えたら早速レッスンに入り、キリの良い所で保護者様とのお話をする。もしくは、全部が同時進行で始まる事もあります。

初めての場所で緊張しているのは、お子様だけでなく保護者の方も同じ。「どんな人だろ?大丈夫かな?」という心配が少しずつ安心に変わるように、いつも心掛けています。

 今回お越しくださった生徒さんは、普段それほど目にする事のないグランドピアノに早速さわって、弾いてみたそうにポンポンと音を鳴らしてくれたので、「○○君、何か弾ける曲ある?聴かせて聴かせて!」とピアノ遊びが先の体験レッスンの運びでした。その時弾いてくれた曲は「ビリーブ」。お友達に教えてもらったという弾き方で聴かせてくれました。「おぉ~!この曲良いよね。じゃぁ、今度は私、伴奏つけるから一緒に弾こう!」と言って早速2台ピアノで合奏♪今までメロディだけだった音に肉厚な伴奏が付くことで一気にドレスアップした自分の演奏に本当にうれしそうな表情をして笑ってくれた時、『あぁ、音楽ってすごいな』と心から思います。音楽の前では、みんなが同じでいられる。言葉がなくても音で繋がれる出会いに何度も助けられましたが、今回も音楽の魔法を感じました☆☆☆

お母様も含め3人で音の世界を楽しんだ後に、今後入会された場合に使っていこうと思う楽譜についてのお話をして、テキストも一緒に少しレッスンをしてみて、体験をおしまいにしました。

後日、お母様からは「息子はレッスンが楽しかったようで、レッスンをお願いしたいのですが大丈夫でしょうか?」と嬉しいご連絡をいただきました。

あれからもう1年が過ぎ、いまも生徒さんは頑張ってレッスンを続けてくださっています。春の教室コンサートにも、夏の1曲でのYouTubeデビューも経験されました。ビデオ撮影は、何度も何度も完璧を求めて撮り直し、普段ならなかなか続けにくい反復練習がいっぱい出来たのでお母様も驚かれていました。

お子様の特性故の心の急激な変化、弾けない時の悔しさからくる怒りの気持ち、はしゃぎたい気持ちからの乱暴なピアノの弾き方、音符の識別の難しさ、などレッスンでは気持ちの変化が他の生徒さんよりストレートに外に出してしまう所があるという事は言えるかもしれません。でも、そんな時は二人で納得できるまでお話をして新たな目標を立ててやっていければ良いと思っています。ずっと前のブログに書いたように、音楽の山へ登る登山道は、色々なコースがあって良いと思うので。「好き」の気持ちを育てる最適な登山道を一緒に登っていければ嬉しいです。

まだたった1年。編み物で言えばやっと1段編んだだけですが・・・私にとっては、生徒さんに色々と成長させてもらった1年でした。

1人ひとりの生徒さんを大切に。これからもレッスンで皆さんをお待ちしています☆

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1年間の挑戦~発達障がいのお子様レッスン~ Part 1

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秋ですね~。昨日子供を園に送りに行って少しお教室に入ったのですが、「り~んり~んり~ん」と懐かしい音が聞こえてきます。風鈴じゃないですよ。鈴虫です☆小学校の時は、同級生のお友達がお家で沢山飼育されていたのか?良く分かりませんが毎年鈴虫を分けて頂き玄関先に置いてある虫かごから美しい声を聞かせてくれていました。「見た目が怖いのが残念だなぁ。テントウムシっぽかったら良かったのに。」と思いながらも怖々餌のナスを与えていた事がぱっと思い出されました。あの頃と変わらない鈴虫の声。代々受け継がれているんですね♪(虫かごの鈴虫さんの姿も変わらず・・・でしたが懐かしく聞かせてもらいました)

 今回は少し長文になりそうです。2回に分けて記してみようと思います。

1年前の夏、教室に1通のメールが届きました。

「犬山在住の発達障がいをもつ2年生の男児ですが、そちらでレッスンを受けることは可能でしょうか? ネットで調べ先生を知りました。」

メールを読んで、しばらく考えました。正直、今までにそういったお子様の指導はしたことがありません。「少し多動気味です。」というお子様はいらっしゃいますが、はっきり発達障がいという言葉をあげてレッスンの問い合わせをしてくださったお母様は初めてでした。大切なお子様の為に教室を探されるお母様のお気持ちを思うと、「なんとかせねば!!」と思い、丁度渡欧数日前でしたので急いで関連しそうな本を購入して荷物に詰めました。そして、お母様には正直に、発達障がいのお子様のレッスンが未経験である事、至急知識を得る準備をする旨をお伝えした上で、そんな私でもよければ一度体験にいらして下さい。そしてお子様の得意な事、性格的特徴などあれば教えて欲しいとお返事しました。

 今も昔も変わることなく色々なタイプの人が存在していて、その中には障がいと共に成長をされている方がいらっしゃる事は誰もが知っている事ですが、そういう方々と時間を共にする機会は少ないと思いませんか?

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私に関して言えば、発達障がいのお子様と時を共に過ごした経験は・・・なんと小学校の頃だけです。当時は1学年4~5クラスあり、同じ学年の中に1人だけいた発達障がいの子の存在を私が知るのは、4年生で初めて同じクラスになった時でした。(随分遅いですよね・・・低学年の頃は学校から脱走をはかる事に精を費やす問題児でしたので(笑))

男の子だからK君だけど、みんなからはKちゃんと呼ばれていた彼。落ち着いていられなくて、いつも船をこぐように前後に足を動かして、不安そうで、コミュニケーションはお母さんか先生。という感じの子でした。何か困った事があると大きな声で「おかあさ~ん」と泣いていて、玉ねぎが大っ嫌いで、でも漢字は博士級にいっぱい知っていたKちゃんを、私は「なんて心がキレイな人なんだろう・・・」と思ってみていました。前年までは脱走犯の私でしたがさすがに小学校生活にも慣れてきた頃。馬鹿に明るい性格が好評を得たのか?学級委員に毎度選ばれるようになり、「Kちゃんをお願いね」と先生に頼まれて同じ班での学校生活が始まりました。

近くで過ごしてみると、本当にKちゃんは心の澄んだ人でとっても優しい子でした。落ち着いていられる時は一緒に笑っていたように思います。今でも心に焼き付いている思い出は、掃除の時間。私はいつもKちゃんと手をつないでバケツにお水を汲みに行っていました。ある日、私が何かの用で掃除の時間に遅れてしまうと廊下から大きな声で「稲垣さ~ん!!」と呼ぶ声が!!なんと!Kちゃんが、バケツを持って私を探していました。他の子が行こうとしてもバケツを持って立ち尽くすKちゃんに、大急ぎで駆け寄って「ごめんねKちゃん。遅れちゃったよ。じゃぁ行こうか。」と言ってその日も手をつないでバケツにお水を入れました。クラスメートがその様子に驚いてぽか~んとした顔で見ていた事まで覚えているほど印象的でした。

Kちゃんのようなデリケートできれいな心を持っている人が、ピアノをやりたいと思ってくれているなら是非一緒に楽しみたい!と思わせてくれるKちゃんとの思い出であり、私が今までの人生の中で時間を共有した唯一の発達障がいの子でした。Kちゃんありがとう・・・☆

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お問合せのお母様は、お子様の様子をお知らせくださり体験レッスンへの参加をご希望くださいました。体験までの限られた時間、飛行機の中や旅先でも持参した本を大急ぎで読み、自分の中でレッスン計画を組みながらどんな風にレッスンを進めていくべきか、デリケートな心に寄り添う為の準備をして帰国後に体験レッスンでお迎えすることになりました。

次回へ続く・・・

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