私は3歳からピアノを始め、今までたくさんのピアノと出会ってきました。
今、レッスン室にて使用しているピアノは2台ともヤマハのグランドピアノですがプラハ音楽院留学時代からのチェコでの生活では、「ペトロフ」というチェコのピアノを使っていました。そんなペトロフの特徴は、今でも手作り工程が多く響きが全体に柔らかく上品にキラキラしたところでしょうか。
プラハでの生徒もある程度増えた段階で私が購入したペトロフ「オペラ」には、蓋をあけると「ブリュッセルにてグランプリ受賞」と誇らしげに刻印されていたのを覚えています。コンサート用アップライトピアノでしたが、背がそれほど高くないわりに、大変響きのよい音を奏でるピアノでした。
ヨーロッパでは、ピアノの響きの豊かさが日本とは違います。プラハでしっかり練習を積んで日本でのリサイタルに備えて帰国した時などには、耳慣れたヨーロッパの響きと日本での響きにとても大きなギャップを感じ、一気に現実に引き戻される思いをしたものでした。
特に私がレッスンで座る方のピアノは、単刀直入に音を返してくるので上手に弾かないと大打撃をくらいます。このピアノのおかげで練習も沢山したので私には、手放せない大事な音楽の友なのですが・・・生徒さんには柔らかい音の出るピアノを使ってもらっています。
日本への帰国を機にペトロフは手放してしまいましたが、いずれまた、あのキラキラした音を身近に楽しめる環境を作れたら良いなぁ。。と夢見ています。(そのためには練習が欠かせません!!)