愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

楽譜から見える光景

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ハロウィンですね。お店を歩けば可愛いおばけとカボチャでいっぱいです。教室は今週火曜から木曜までが第5週目でお休みとなっています。ここのところ、レッスンの進め方について、テキストについて、コンクールやコンサートについて、トーンチャイムにいたるまで考える事が頭から溢れる程でレッスン時間以外の時には、思いつめた顔をしてる事が多かったようで、よく主人に「何かあったの?大丈夫?」などと声をかけられる始末(笑)頭がゴチゴチに固まる前にリフレッシュとして、この3日間は少しゆっくり日常を過ごさせてもらっています。

子どもと一緒に公園へ行き、遊具に登って視野が普段より高くなるだけで気分がぐっと大きくなったり、ブランコをおもいっきり漕いで絶叫マシンにでも乗っているような恐怖を感じたり、ただただ立ち止まって風の音を聞き入ったり。人間的な感覚神経が動き出すと自然と元気になれるような気がします。

ウィーンに滞在していた頃、勉強に疲れた時などはベートーヴェンが晩年に歩いていたとされる散歩道を一人でひたすら歩いて心を癒していましたし、プラハ時代も家に籠って練習に明け暮れる中、40分だけは散歩時間を取っていました。好きな教会に出向いて静かな空間の中で一人座って煮詰まった頭と心を戻していた自分を思い出します。

気づけば年末の足音。ただただ慌ただしいですが、心の余裕を忘れずに澄みきった気持ちで11月のレッスンに向かいます!!

レッスンと言えば・・・私は毎朝目覚ましが鳴って起き上がるまでの10分くらいの間にその日に来られる生徒さんを順番に頭の中に並べてそれぞれの練習中の曲を思い返します。○○ちゃんのあの曲ではタッチについてお話しよう。とか○○君のレッスンでは中間部の弾き方を重点的に・・・など一人ずつのレッスン計画を立てたり次に進める曲について候補を考えたりと朝が始まるのですが、先日レッスンのなかで、生徒さんが練習中の1曲の背景を考え始めた時に楽譜からとってもおもしろい光景が見えてきました。

『ピエロ』・・・寝坊助ピエロのテーマが聞こえてくる。謝肉祭のファンファーレが眠るピエロの頭にうっすらと聞こえてくるが、寝坊助ピエロは眠たいからその音をかき消そうとする・・・でも続けざまに聞こえるファンファーレの音・・・音をかき消すピエロのやり取りが続いた後、ついにピエロは謝肉祭へ出かける準備へ起き上がる、ピエロの衣装をつけて、メイクもして、赤いお鼻をつけて、段々とひょうきんピエロが出来上がる・・・けれど、最後はやっぱり寝坊助ピエロ♪眠そうなあくびでもしてそうな音で終わります。

レッスンの朝、起きる前からこのファンファーレが私の頭の中でも鳴り響いていて、「どんなレッスンで進めようか」と考えていた後だったので、レッスンに入ってこの曲の背景について考え始めたら、まさに起床前の私にちょっと似たピエロがいてビックリでした。(私は皆さんと弾く曲を頭からかき消す事はしないですよっ!)楽譜の見方って無限大だなぁと思います。でも、題名がついている曲には必ず何かをイメージした楽譜が仕上がっている事と思います。

最近、小さい生徒さんは自分で「この曲はこんな感じだね」とか「ここはこんな気持ち」と教えてくれたり、高学年の皆さんは楽譜の挿絵を曲の雰囲気に合わせてキレイに色付けしてくれたりと楽譜をただの黒い丸(♩)のつながりという風に読むのではなくその場面の光景や音の響きを読むようになってきている事に気づきます。

とても素敵な楽譜の読み方です。音って沢山の事を表せるんですね。朝日がゆっくり昇る音、子ども達の笑い声、冷ややかな大人の笑い、悲しみのヒーロー、孤独な伯爵などなど皆さんと描く事の出来る音の世界は、現実ではすぐに見られない特別な世界です。楽譜は大事なチケット。余すことなく欲張って楽譜を見てください。思わぬ世界への鍵を手に入れられるはずです。

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