愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

勇気をくれる私の愛読書

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蒸し暑い夏日が続いていますね。レッスン生の皆さんの中には夏休みに入り「宿題が沢山で大変!」と小学生ならではの悩みを聞かせてくれる子もいます。そんな中でも一番困る宿題は読書感想文のようです。これ、私もとっても苦手でした。本を読む事は大好きで沢山の本を読むのですが感想を文章にして書く事は普通の作文より難しいですね。レッスン生の皆さんと話しているとそんな子供時代の気持ちがよみがえってきてとても楽しいです♪というわけで、今回は私の愛読書について書いてみます。

しばらく日本を離れていたので日本語の本を読む事もかなり減ってしまったこの10数年ですが、一冊だけ私がずっと(今も)カバンに入れてお守りのように持ち歩く愛読書があります。それは「ベートーヴェンの生涯」ロマン・ロラン著の文庫です。私がベートーヴェンを大好きなことはブログでも度々書いていますが、それは単に彼の音楽が好きというだけではなくて、生きる姿勢、考えがとても素敵だからです。

学校の音楽室にあるベートーヴェンの気難しそうで鋭い眼の肖像は きっと皆さんの記憶にかなり色濃く残っていると思います。あの肖像のおかげで「ベートーヴェンはダダダダーンの運命を作ったいつも怒っている人」というイメージがついてしまっている気がするのですが、思い返してみると、あれほどインパクトある表情の肖像画は他にはあまりいないと思いませんか?バッハもモーツァルトシューベルトショパンも、みんな穏やかによそ行き顔でモデルになっていますよね。でも、ベートーヴェン肖像画の中からも溢れ出るほどに苦悩を胸に抱えながらも必死で生きた人だったのだと思います。でも、その苦悩があったからこそ 優しさや愛情がとても深かった人なのです。

本の中には、ベートーヴェンの生涯、手紙、遺書、思想断片、手書きの楽譜や文字が掲載されており、彼の壮絶な人生、苦しみとの葛藤、愛する人への気持ち、死を前にした時など薄い一冊ですがとても凝縮されたベートーヴェンの本質が描かれています。興味の沸いた方は一度読んでみてくださいね。

ピアノを通して何百年も前に生きた人と繋がりあえる事は1つの奇跡だと思います。楽譜に残されたメッセージや作曲家の背景を一緒に読み取り奏する事で生まれる独自の音楽を皆さんには体験してもらいたいです。

本の中にはこんな一節があります「ベートーヴェンはピアニストとしては正確ではなく、指の使い方もときどき誤っており、音質がぞんざいであった。しかし彼が弾くのを聴いていると演奏家の事なぞ誰も考えはしなかった。人は、ベートーヴェンの両手がとにかくそのやり方で最善に表現しようと努めたところの思想によってまったく心を奪われてしまうのだった。」

テクニックや音色はもちろん大切だけれど、それよりもハートが一番大切なんですね♪

ベートーヴェン先生に感謝をし今日も愛読書をカバンに潜めて頑張ります!

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