愛知県犬山市のピアノ教室☆エンジェルトーン blog

愛知県犬山市のピアノ教室 「エンジェルトーン」講師Rieのブログ ピアノ練習法、レッスン法、ピアノ講師の選び方や生徒さんの記録

演奏に自由と自信をくれた人

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ゴールデンウィーク明けの今週のレッスンは、みなさん少しお休みモードが残っていて小さなお子様は眠くなってしまったり、「お出かけで練習があまりできなかったよ」という声も聞こえてきます。でも、その言葉を裏返せば・・・皆さんの中で毎日ピアノに向かう事が普通の事になっていてお出かけで弾けなかった日が特別になっている・・・という事ですよね。嬉しいです!今週、カメラマンさんに撮影していただいた写真も届き、教室に飾っている集合写真も去年のコンサート写真から今年のものへと差し替えました。この写真、レッスン前や合間に皆さんふっと目をやりコンサートの話に花が咲いたりします☆良い思い出であり、原動力になるみんなのお写真。今年も笑顔がいっぱいでとっても素敵ですね☆

コンサートをやりきり自信に溢れたみんなの笑顔を見ていて今日は「自信」について書いてみたいなと思いました。ステージに立つ前には「これ以上好きになれないくらい曲を好きになって、いっぱい弾いて自信をつける」という事を以前書きました。これは努力を重ねて作る自信です。とても力になります。私も長い長い間、これだけを頼りにピアノを弾き続けました。でも、心の中では常に「上手く弾けない。自由に弾けない」という不安を持ち続けていたのです。コンクールで賞をとっても、大学で良い成績をとっても、素敵な演奏会に出演させてもらっても、プラハの音楽院に行っても(泣)かなり根深い自信喪失状態です。お手上げですね(笑)

でも、その窮屈な心の殻をプラハ音楽院在学中に一気に吹き飛ばす出会いがありました。度重なるコンサートや音楽院の試験目前で心にまるで余裕のない当時の私に「好きな曲を弾いて聴かせて」とピアノの側に座り私の演奏を待つその人に、私は「別れの曲/ショパン」を弾きました。試験やコンサートの曲でもない、本当にただ好きな曲。母が好きだった曲を弾きおえて「こんな感じかな」と振り返ると。。泣いていました。

「えっ?!」と驚きましたがその時に「心に届く演奏でとても良かった」という言葉をもらい次に試験曲を弾いてみた時「型にはまっている。もっと自由に自分の弾きたいように弾いてリエの演奏にしないと」と言われたんです。衝撃の一言でした。実は、当時の私の演奏はガチガチに型にはまっていました。プラハの教授はとても素晴らしい先生でしたが、長年日本で受けたレッスン体制で生まれた「先生の指示は有無を言わさず絶対!」という自分のルールをどうしても拭えずにいた私は、とにかく教えに従順で自分の気持ちは完全に後回しになっていたのです。これがピアノとの間に微妙な空間を作って「弾けない」という心の闇を作っていたのだと思います。

それを「自由に好きなように」と言って解放してくれたのが主人です。その数日後にあった音楽院の試験では「自由に好きなように」弾きました。試験後に教授のもとへレッスンに行くと「素晴らしい演奏だったわ。隣に座っていた○○教授が『おめでとう!彼女はもうピアニストだ』と言ったのよ。鼻が高いわ」と嬉しそうにお話してくださいました。

人生は不思議の連続。私の演奏は、1人のさりげない一言で呼吸するようになりました。かけがえのない言葉や出会いはこんな風に人生を左右します。

今、私のもとへ通ってくださるエンジェルトーンの皆さんにも、自由の羽を持ったピアノ演奏を楽しんでもらえるよう、常に皆さんの気持ちを共有しながらレッスンを進めていくこと。忘れずにいたいです。

ピアノのある人生を与えてくれた両親、教えをくださった恩師の先生方、そして自由に弾く心を導いてくれた主人に感謝しています♪

それはそうと、当時出会って間もない主人に別れの曲を弾いてしまうセンスのない私。やっちゃってますね~(笑)

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